☆症状☆
糖尿病患者さん、透析患者さんはPADを起こすリスクが高く、
重症化することで下肢切断となる人は年間1万人以上と言われています。
糖尿病性の末梢神経障害が進むと足の感覚が鈍り、痛みや痒みを感じにくくなり、
傷や火傷にすぐ気づけなくなります。
また高血糖の影響は動脈硬化を進行させるだけでなく、身体の抵抗力も弱めてしまうため、
細菌や真菌(水虫)などの感染症に対する抵抗力が低下し、傷の治りも遅くなります。
このような状態を放置していると潰瘍ができたり、足の形が変形したり、
爪がボロボロになったりと様々な足病変が起こります。
また、透析歴が長くなると全身の動脈は石灰化が進み動脈の壁が硬くなってきます。
詰まってしまうと血行再建は難しく、足の切断に至ってしまうケースが多いのです。
☆予防と治療☆
<毎日足を観察しましょう>
・潰瘍や壊疽の予防のためには「早期発見、早期治療」が大変重要です。
毎日足の隅々まで見て、触ってよく観察しましょう。
・見えないところは鏡を使ったり、ご家族等に協力してもらったりしましょう。
・長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察しましょう。
<足の清潔を保ちましょう>
・感染を防ぐためには清潔を保つことが重要です。
・石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗いましょう。
・指の間も忘れずに洗いましょう。
・洗った後は水気をよく拭きとりましょう。
皮膚を傷つけないよう、こすらずに押さえるようにし拭き取りましょう。
・皮膚が乾燥している場合は保湿クリームを塗って保湿しましょう。
ただし、指の間には保湿クリームはさけましょう。湿って水虫の原因になることがあります。
<爪は切り過ぎないようにしましょう>
・深爪に注意しましょう。
・爪の角は、深く切り落とさないようにしましょう。
・巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切りましょう。
<自分の足に合った靴を選びましょう>
・つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合った靴を選びましょう。
・革や内貼りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目のない靴を選びましょう。
・クッション性がよく、靴底が安定している靴を選びましょう。
・運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴を履きましょう。
・神経障害がある方は靴の中に異物がないか、よく確認してから履きましょう。
<素足を避け、靴下を履いて、傷から足を守りましょう>
・靴下を履くことで水虫の予防や足の保護になります。
・吸湿性の良い綿素材の靴下を選びましょう。
・内側の縫い目がゴツゴツしていない、きつすぎない物を選びましょう。
・重ね履きは血行を妨げてしまうことがあるので避けましょう。
・水虫予防のために5本指靴下もお勧めです。
<やけどに注意しましょう>
・湯たんぽや電気あんかなどの低温やけどに注意しましょう。
・やむをえず使用する際は、寝る前にはスイッチを切る、設定温度を最低にする、
厚手のバスタオルで包むなど、やけどの予防対策が大切です。
・バスや電車の温風吹き出し口にも注意しましょう。
・夏の炎天下では、素足で砂浜やプールサイドを歩くとやけどをする場合がありますので要注意です。