医療法人社団 靭生会

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透析とは

透析とは

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透析とは

透析のお話をする前に まず腎臓について説明しなければなりません。腎臓は、尿をつくる臓器で腰の少し上に2つあり、血液をろ過して老廃物や有害物質を尿として体外へ排出します。

また、体内の水分や塩分の調整、血圧を調整するホルモンや血液を作るホルモンを分泌したりするなど、体にとってなくてはならない重要な働きがたくさんあります。

腎臓のはたらき

お水やお酒を飲んでも翌日体重があまりかわったりしないのは、腎臓が働き、体に不要なものを尿として排泄しているからです。

もし この腎臓が働かなくなったら・・・

おしっこが出ないので老廃物が身体に溜まる。

おしっこが出ないので水分が身体に溜まる。

血圧が乱れたり、貧血になったり

腎不全

様々な問題がおこってしまいます。正常に動かなくなった腎臓の代わりに老廃物の除去や水分調整を行うのが、人工透析です。

透析療法

血液を体外に取り出し、ダイアライザと呼ばれる透析器に血液を通すことによって、血液中の余分な水分や老廃物をきれいに取り除きます。浄化された血液は再び体内に戻します。

週に3回程度、行います。1回につき4時間程度要します。通常、血液透析では150~300ml/分の大量の血液を取り出さなくてはい けないため、透析が必要になった場合は、腕の血管の動脈と静脈をつなぎ合わせる(内シャント)手術を行うことがほとんどです。

内シャントをつくることで、静脈に多くの血液が流れるため、大量の血液を取り出し浄化しやすくします。

透析療法

血液透析の合併症

血液透析を受けていると合併症が起こることもあります。どのような合併症があるのかご説明します。

1.高血圧

透析を始めたばかりの患者さんの多くに高血圧がみられます。頭痛、イライラ、吐気、夜寝られないなどの症状があります。

高血圧の主な原因は水分や塩分の取りすぎで、それらが充分に排出されないことによって起こります。体重管理に気をつけましょう。

また、高血圧は動脈硬化、心臓病、脳卒中、視力障害の原因にもなります。

2.低血圧

低血圧はもっとも発生しやすい合併症ともいえます。低血圧になると、自覚症状として、あくび、吐気、嘔吐、頭痛、動悸、冷や汗などがみられます。

特に、高齢、糖尿病、低栄養、貧血、心機能障害の方は低血圧が起こりやすいとされています。

透析の除水による循環血液量の減少に加え血管収縮機能の低下、心機能障害が原因とされています。

透析が困難になったり、めまいや全身倦怠感など日常生活に支障をきたす場合もあります。

対策としては、ドライウェイトを上げる、透析時の除水量を少なくする、バランスの良い食事を心掛けるなどです。また、血圧を下げるお薬を使用する場合もございます。

3.貧血

腎不全になると、腎臓で作られている造血ホルモン(エリスロポエチン)の分泌が低下し、貧血になってしまいます。また、血中の尿毒素が増加することで出血しやすくなったり、赤血球の寿命が短くなったりすることも貧血の要因です。

貧血になると、疲れやすくなる、手足のだるさ、息切れ、動悸などが起こります。

エリスロポエチンや鉄材の注射などで改善されますが、充分な透析、充分な栄養、充分な運動をすることで予防することが大切です。

4.二次性副甲状腺機能障害

腎不全になると、リン(P)が腎臓で排出されなくなり、高リン血症になります。

リンが上昇すると腸でのカルシウム(Ca)の吸収が悪くなってしまい、血液中のカルシウム濃度が下がってしまいます。

そのためカルシウム濃度を上げようと副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)という物質が分泌されます。このホルモンは骨を溶かしてカルシウムを上げてくれようとしてくれるのですが、それが続くと骨がボロボロになってしまいます。

なので高リン血症を予防する事が重要です。透析によるリンの除去は限られている為、リンが多く含まれているタンパク質の摂取量を調節しましょう。

(1日のタンパク質摂取量=1kgあたり1.0~1.2g)

5.アミロイド骨関節症

長期間透析を続けていると、アミロイドという物質が骨や関節に沈着します。すると、骨や関節、肩、首などに痛みや痺れ、麻痺を起こすことがあります。

手術によって痛みや痺れは改善しますが、日頃から関節を動かす運動をして、十分な透析をするようにしましょう。

6.感染症

透析患者さんは一般に抵抗力が低下しており、感染症にかかる割合が高いです。

穿刺部から細菌が侵入して起こるシャント感染、尿量が少ないことで起こる尿路感染、肺炎、結核、輸血によるウイルス性肝炎などがあります。

透析にはシャント管理が欠かせません。清潔に保つようにしましょう。

7.高カリウム血症

腎不全になると、カリウム(K)が腎臓で排出されなくなり、高カリウム血症になります。

カリウムが身体に溜まると、手足や口の痺れ、脱力感、知覚異常、味覚異常などがあり、最悪の場合心臓が止まってしまうこともあります。

予防には、食事によるカリウムの摂取量に注意することが第一です。果物、生野菜、肉や魚の生ものに多くカリウムが含まれます。

調理方法や1日の摂取量を守りましょう。